「交通広域化およびICAによる旅客変動傾向の抽出」 (記録:岩本真由子)
谷口らの研究(谷口守:都市圏外を考慮した都市居住者の交通広域化の実態,2003)を基に,交通広域化に関する意見交換を行った.さらに,塚井准教授が昨年度行った研究(「ICAによる旅客変動傾向の抽出」)について発表を行った.
1.交通広域化に関する意見交換
交通広域化の実態を把握するために必要な研究アプローチに焦点を当て議論を行った.意見としては,都市居住者の交通広域化に関して,目的地分布の地図化による経年比較,都市分類方法の明確化,トリップ目的別の分析等が挙げられた.さらに,首都圏で導入されているPASMOなどのICカードデータを利用したOD分布の分析も挙げられた.ICカードデータによる分析については導入が開始されて間もないため,過去のデータが存在しないとの指摘が出された.また,都市居住者以外の交通広域化に関しては,企業の商圏拡大について物流状況の経年比較が挙げられた.
2.塚井准教授による研究内容の発表
塚井准教授は,ICAによる旅客変動傾向の把握を行った研究の成果について発表を行った.トリップ目的としては,仕事と観光が取り上げられており,いずれの場合も近県,隣接地域間の旅客流動量は減少傾向にあるという結果であった.また,旅客変動の傾向をICAによって分析した場合の利点として,大量のデータに対し大まかな傾向を見ることが可能である点が挙げられた.一方,問題点としては旅客流動に変化が生じた原因の考察をICAのみから行うことは難しいという点が挙げられた.